- 卒論のためにインタビュー(聞き取り調査)がしたい!
- インタビューのアポの取り方がわからない
- 取材依頼ってどうするのがベストなの?
そんな悩みに答えるたった一つのキーワード、
それは「熱伝導」!!
この記事では、卒論などの際に必要なインタビューのためのアポ取り・取材依頼のハウツーを紹介します。
卒論のためのインタビュー依頼だけに限らず、取材依頼に必要なアポ取りのやり方がしっかり理解できますよ!
依頼のためのメールも例文つきで紹介するので自分好みに工夫してすぐに実践できるはずです。
アポ取りの前の準備、取材依頼のやり方、依頼後に伝えたいこと、注意点とコツという順序で解説していきますね。
※取材依頼メールの例文だけ見たいという方は「これでアポ取りは完璧! 取材依頼メールの書き方」からチェック!
学生が取材のアポを取るためのキーワード「熱伝導」
取材依頼・アポ取りのキーワード「熱伝導」。
何言ってんだ?って思った方も、ブラウザバックはギリギリこらえていただきたい! ドゲドゲ。
アポ取りで重要なのは、「初印象で相手に熱意を伝えること」です。熱を伝える、つまり「熱伝導」ってな……。
取材対象の気持ちになってください。ただでさえ忙しい日常の中、どうして学生なんぞの依頼に答えられましょうか?
何かの理由があるか、よっぽどの善人でなくては取材依頼など受けてはくれません。
でももし、研究内容に興味を持ってくれたら?
取材依頼を受けて、
「私、この取材に必要とされてる……!」
「僕じゃなきゃ、僕がやらなきゃダメなんだ……!」
そんな気持ちになってくれたら?
そのために必要なのが、熱意とそれを伝える力です。
初印象(ファーストインプレッション)で「熱伝導」が上手くいくかどうか。そこにアポ取りの全てがかかっています。
では、まずは依頼の前の準備から解説していきますからゆるっとついてきてね!
目的をはっきりと! 卒論インタビュー依頼のための準備3ステップ
取材・聞き取り調査を通してなにが知りたいのか、なにが聞きたいのかをはっきりさせる。
なによりもまず自分自身が知りたいこと、聞きたいことをしっかり理解するのが取材の鉄則です。
もしも聞きたいことがぼんやりしていたら、
「は? この学生なにが聞きたいん?」
って思われます。十中八九、いや十中十嫌がられます。
何事も準備が肝心なので、これから紹介する3ステップでしっかりと準備しましょう!
卒論・研究の目的を鮮明にしよう
大前提として、研究の目的を鮮明にしましょう。
文章でも口頭でも簡潔に説明できるようにすると、実際に依頼する際にも役に立ちます。
研究の目的は〇〇〇〇です。なぜなら~~だと考えるからです。
のように、最初に結論を持ってくる形で説明できれば伝わりやすいし、自分の研究内容がしっかり整理できている証拠にもなると思います。
っていうか自分の研究くらい簡単に説明できて当たり前ですが!
もし万が一「楽そうだからこのテーマにした」「よくわかんないけど良さげだから」「教授にこれやっとけって言われた」なんて人がいたら……。
いや、いても大丈夫だ。フォ前ら、研究に関するキーワードを思いつくまま紙に書いて、重要な順に印をつけていったらある程度は考えがまとまる。
それでもわかんない時はそうだな、時を戻そう。
アポ取りの前にしっかり情報収集しよう
研究内容をはっきりさせたら、次は取材(調査)したい内容についてできるだけ情報を集めましょう。
ネット、雑誌、書籍などを使ってできるだけ情報を収集することが重要です。
この段階で、調査内容に関して世に出ている情報はすべて知っておくことが理想!ですがほぼ不可能なので、まずは「浅く広く」を意識しましょう。
また、「わざわざインタビューしなくてもわかること」を知っておくと、実際の取材がより意味のあるものになります。
情報が集まり、理解が深まると、どうしてもわからない部分や、情報が足りないところ、実際の状況について聞きたい部分などが見つかるはず。
その内容も文章・口頭で説明できるように整理しておきましょう!
インタビューしたい対象を明確化しよう
事前の情報収集を通して取材したい内容がはっきりしたはずです。次は取材内容に最もふさわしい協力者を特定しましょう。
情報収集がしっかり行なえていれば、すでに目星がついているかもしれませんね。
教授などに相談しつつ決めるのもいいでしょう。
対象は「〇〇企業の□□部△△さん!」のようにピンポイントで特定するのが理想ですが、そこまで特定できなくても大丈夫。
何が知りたいのか、なぜこの対象でなくてはいけないのかさえはっきりしていれば、先方に依頼した際に、取材にピッタリの人物を紹介してくれる可能性も高まります。
「なぜあなた(貴社)でなくてはいけないのか」その理由をきちんと説明できるようにしておきましょう。
これでアポ取りは完璧! 取材依頼メールの書き方
ここまで準備をしっかりできたみんなァ、そろそろ両腕にアポイントメント・パワーが溜まってきただろォ……⁉
なにを取材したいのか、なぜその対象でなければならないのかをしっかりと伝えるために、今まで準備してきた熱意を依頼メールに存分に注ぎ込みましょう!
いますぐ使えるテンプレートと、依頼の際に盛り込むべき必須事項も紹介するのでぜひチェックしてみてくださいね。
依頼ってメールがいいの? それとも電話?
最近は依頼もメールでするのが主流になっています。
手紙が最も丁寧ですが、最近はメール・問い合わせフォームからでもOKになってきました。むしろネット経由のほうが良い説も……!
メールだけでも十分ですが、オススメはメールをメインに、おまけで電話もつけること。
メールは相手の予定を邪魔しないのと、文章が残るので内容が伝わりやすいところが良い所ですが、逆に他の連絡に埋もれてしまうこともしばしば。
電話だと、タイミングが悪かったり、長く時間を取りすぎると相手の予定を邪魔してしまう危険性があります。ですが、実際に話すことで熱意が伝わりやすいのも確か。
依頼内容を詳しく記載したメールと合わせて、電話で簡潔にお願いするのも良いかもしれませんね。
※電話する際は朝一・お昼時、就業時間に注意しましょう!
書き方を真似してすぐ使える! 依頼メールの例文
次は実際に取材依頼メールの例文を紹介します!
依頼メール例文
メールタイトル(件名)
「○○○○の取材協力のお願い(○○大学○○)」
以下本文
○年○月○日
○○株式会社
○○部○○課御中 (個人の場合、○○様)
「○○○○に関する取材ご協力のお願い」
拝啓 時下ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。突然、ご連絡を差し上げますご無礼をお許し下さい。
さて、私は、○○大学○○学部において○○先生の指導のもと、○○について研究しております。
その中で、○○における○○を明らかにするために、○○に関して調査しようと考えております。
貴社におかれましては、○○についての優れた取り組みをなされているとお聞きしております。そこでぜひ一度、○○についての実際の状況について詳細をご教示願えないかと考えております。
つきましては、○○様から、お話をお聞かせ願うことはできませんでしょうか。可能でしたら○月下旬ごろまでに取材させていただければと考えております。ご多忙な折、誠に恐縮ではございますが、ご指導いただけましたら幸いです。
ご協力の程、何卒宜しくお願い申し上げます。
敬具
○○大学○○学部○年
○○ ○○
〒123-4567 (自宅住所または研究室住所)
電話番号/メールアドレス
依頼するときの必須事項4つ
取材依頼メールには必ず書かなければいけないことがあるので、例文を見ながら確認してみてくださいね。
相手の身分
誰宛のメールなのかをはっきりと記載しましょう。
意外と失敗しやすいのが、会社名・個人名の間違いです。
名前に誤字があったり間違っていたらその時点で印象ダウン間違いなしです。
漢字が間違っていないか、横文字の会社名でも間違いはないか、送信の前に何度も確認しましょう。
自分(差出人)の身分
誰が送るメールなのか、自分の名前、所属を明記しましょう。
研究・取材意図
ここが一番大事!!
例文では、
さて、私は、○○大学○○学部において○○先生の指導のもと~~
から始まる部分です。
ここで、依頼前に準備した、取材を依頼した理由をしっかりと説明しましょう。
長くない文章を通して、なんのための研究なのか、なぜ先方に取材を依頼したのかをわかりやすく伝えるのは簡単ではありません。
ですが、この部分で興味をひいたり、熱意を伝えることができなければ良い返事は返ってこないでしょう。
ですので、例文の通りではなく自分の研究や取材内容に応じて、この部分は特に時間をかけて書いてみましょう。
先に結論、その後に理由や根拠を示す形をとれば、例文より長くなっても問題ありません。
あなたの熱意を伝えるタイミングはここです!
もちろん長すぎてもダメですが、短すぎて何も伝わらないよりかは長すぎる方がきっと良いです!(知らんけど……)
ざっくりした取材の日時
「○月下旬ごろまでに」のように大体でいいので日時を盛り込みましょう。
この段階で具体的に細かい日程を指定することは迷惑なので注意! 相手には相手の予定がありますからね……!
依頼の後の情報共有! アポ取り後に伝えたいこと
あなたの熱意が伝われば、前向きな回答が返ってくるはずです。
(上手くいかないこと前提で考えといたほうがメンタルには○です)
ここでは、取材をスムーズに行なうために、アポ取りが成功した後に伝えておきたいことを紹介します。
企画書:卒論・研究内容を詳しく伝えよう
アポ取りに成功したら、取材の前にあらかじめ取材趣旨を伝えましょう。
取材テーマ、取材の背景と目的など、「何を聞きたいか」「得た情報をどう利用したいか」をしっかりと伝えたいですね。
この段階では依頼メールに記載した内容よりもっと具体的に研究・取材について説明しましょう。
オススメは、取材趣旨説明書を作って(Wordとかでね)メールに添付すること。
説明書だからといって長すぎてはいけないので、文書にして送る場合は、他の項目も合わせてA4用紙1ページに収まるように作成しましょう。
※説明書に盛り込むべき項目も後ろの方でまとめておきますね!
質問:事前に投げておくことで効率UP
ざっくりした取材内容・質問もこの段階で共有しておきましょう。先に質問を投げておくことで先方も準備する余裕が生まれます。
余裕があれば、インタビューを通してより深い情報を得ることもできます。
実際にインタビューを行なう際にも役立つので、大まかな質問内容を事前に共有しておきましょう。
取材日時:取材の日程を具体的に話し合おう
○○年○月~○月に取材を予定しております。ご都合のよろしい日をご指示願えましたら幸いです。のような形で、こちらの希望と先方の都合をすり合わせていきましょう。
相手の都合に合わせることが第一ですが、自分にも都合はあるもの。講義やバイトなどなど、自分の都合もはっきり伝えてお願いしてみましょう。
趣旨説明書に盛り込みたい内容
作成に役立つように趣旨説明書に盛り込むべき内容をまとめておきますね。 我 求 大 感謝。
- 取材テーマ
- 取材の背景と目的
- 取材対象
- 取材内容(質問内容)
- 取材日時
- 調査指導教員
- 連絡先(所属する大学・研究室なども入れられれば○)
なによりも大事なのは「何を聞きたいか」の熱を込めることです!
学生が取材を依頼する際の注意点とコツ4つ
最後に、依頼の際の注意点とコツを合わせて4つ紹介します!
実際に依頼するとなると緊張しますからね、しっかりチェックしてチャレンジしましょう!
依頼に日和ってるやつ、いねぇよなぁ⁉
自分の言葉で!
さきほど依頼メールの例文を紹介したな。あれは嘘だ、忘れろ。
というのは言い過ぎですが、一番の理想は自分の言葉、自分の文章で書くこと!
再三強調してきましたが、取材依頼のキーワードは「熱伝導」。
依頼メール、取材趣旨説明書は、自分の手で、熱意を込めて書いてみてください。
ビジネス文書に要求される形式や敬語も必要っちゃ必要ですが、一番大事なのは形式ではなく内容です!
紋切り型の定型文で伝えたいことが伝わらないメールより、少し形式が独特でも内容が伝わるメールのほうが200%優れてます!
※もちろん、内容+細部まで行き届いた形式のメールが書ければ理想ですが……。
相手の立場に立つ!
取材を依頼する対象の立場に立って、失礼なことや迷惑なことをしていないか考えてみましょう。
取材対象は大体社会人だと思います。
社会経験のないうちから社会に出ている人の立場を想像するのは難しいかもしれませんが、例えば取材日時を決める際、先方に電話をかける際など、相手のことを考えて行動してみましょう。
相手の立場に立って考えてみること。それが敬語や形式よりもよっぽど大事なマナーです。
ステップアップのチャンスだと考える
取材準備や取材依頼などなど、初めてのことでとても難しく感じたり、ハードルが高く感じるかもしれません。
一生懸命メールを書いて送ったのに返信が返ってこなかったり、良い返事をもらえないこともあるでしょう。
でも、目的を達成するためにチャレンジしたその経験は、必ずあなたの成長につながっています。
学生時代だけでなく、誰か見知らぬ人にお願いしたり依頼する機会はこれから何度も訪れるかもしれません。
その時のための良い経験だと考えて、恐れずにチャレンジしてみましょう。
失敗も経験の内です。良いステップアップの機会になるはずなので、大胆に挑戦しましょう!
お礼を忘れずに
最後に、忘れずにお礼を言うこと。
取材当日には、できれば高価すぎない菓子折りなど(所属する大学の菓子などがあればベター)を持参しましょう。
また、取材直後に口頭で感謝を伝えるのはもちろん、取材当日の夜や次の日の午前中などにお礼のメールを書くことも忘れずに。
加えて、取材対象者だけでなく、最初に問い合わせた先や、対象者を取り次いでくれた方にも「良い方に取り次いでいただきありがとうございます。」など、お礼のメールを送ると良いでしょう。
インタビューのコツを知るためのオススメ書籍
より効果的にインタビューを行なうためには、書籍を参考にするのも良いでしょう。
以下のページでは、雑誌やウェブ媒体でインタビュー企画を担当してきた私が、実際のインタビューで役に立ったオススメの書籍を3つ紹介しています。
「インタビューに必要なコツやテクニックが知りたい!」という人はぜひチェックしてみてくださいね。
まとめ
最後に、卒論のためのインタビュー(聞き取り調査)のやり方について、重要なことをまとめてみました。
- 依頼前に準備をしっかりと!
- 「なぜ・なにが調査したいか」熱意を伝える!
- 盛り込むべき内容をチェックする
- チャレンジ精神を忘れずに!
この記事があなたの、取材依頼の成功・ステップアップにつながることを願っています!
また、インタビュー調査をした際のお礼の仕方、お礼メールの書き方について解説した記事もあるので、良かったら読んでみてくださいね。